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市川 健太*; 神田 大徳; 吉岡 直樹*; 荒 邦章; 斉藤 淳一; 永井 桂一
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 6 Pages, 2018/07
ナトリウム自身の反応抑制の研究は、液体ナトリウム(ナトリウムナノ流体)中へのナノ粒子分散の概念に基づいてなされた。ナトリウムナノ流体の実験結果から、ナノ流体の水反応の反応速度と反応熱量はナトリウムのそれらより低いことが明らかになった。ナトリウムナノ流体-水反応ジェットのピークの温度の解析モデルは、われわれによって前述の抑制効果を考慮して開発された。本論文では反応ジェットのピークの温度予測に、この解析モデルを適用し蒸気発生器伝熱管断裂(SGTR)事故の隣接した伝熱管損傷の緩和効果の予測方法を準備した。ナトリウムナノ流体がナトリウム高速炉の2次系冷却材のために使われるとして、設計基準事故事象の緩和効果とSGTRの設計拡張状態をこの方法を用いて推定した。その結果、2次系冷却材でナトリウムナノ流体を用いて損傷を受けた伝熱管の数を減らし、SGTR事故によって発生する圧力を抑制する可能性が得られた。
原賀 智子; 亀尾 裕; 星 亜紀子; 米澤 仲四郎*; 中島 幹雄
JAERI-Tech 2005-050, 35 Pages, 2005/09
日本原子力研究所から発生する低レベル放射性雑固体廃棄物をプラズマ溶融して製作される溶融固化体の簡易・迅速な放射能評価法として、線放出核種の非破壊測定法を検討した。Ge検出器のみを使用する通常の線スペクトロメトリーで問題となる共存核種のコンプトン散乱に起因するバックグラウンド計数を低減させ、目的核種を選択的に測定するため、Ge検出器とBGO検出器を用いる、(1)逆同時線スペクトロメトリー,(2)同時線スペクトロメトリーを検討した。廃棄物中に多く含まれるCoの存在下で、単一の線を放出するCsの測定に対しては逆同時線スペクトロメトリーを、複数のカスケード線を放出するEuの測定に対しては同時線スペクトロメトリーを適用した結果、Csの検出限界値は約1/6に低減され、Euの検出限界値は1/1.5に低減された。本法は放射能評価の迅速化に有効であることがわかった。
山内 通則*; 佐藤 聡; 西谷 健夫; 川崎 弘光*
Proceedings of 21st IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/09
ITERでは、冷却管の破裂等による真空容器内の異常圧力上昇を抑制するために、圧力緩和系ラインが設けられている。この緩和系は遮蔽ダクトにより外部への中性子漏洩を抑えられているが、内部をストリーミングする成分は、真空境界としての破裂弁を放射化して作業員の被曝低減のための管理を困難にする。保守作業時に破裂弁周りの空間線量率を制限値(10Sv/h)以下にするために、ストリーミングに対する簡易計算コードDUCT-IIIを用いて遮蔽ダクトの設計条件を検討した。またダクト遮蔽体の最適構造を、3次元モンテカルロ計算コードMCNPを用いて評価した。その結果、断面が1.2m1.2mの遮蔽ダクトの場合、屈曲数は1回以上、第1脚の長さは3m以上必要なこと,ダクト遮蔽体厚さは15cm程度必要だが、最適化により30%程度体積を低減できること等を明らかにした。
与能本 泰介; 大久保 努; 岩村 公道; 石田 紀久
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/04
安全注入機能と不凝縮ガス格納機能を有する圧力抑制系の革新的概念を将来型軽水炉に適用するため構築した。本システムは、(1)現行軽水炉の場合と同等な低い圧力レベルでの格納容器圧力の維持,(2)炉容器冷却又は破断口水没のための格納容器への水注入,(3)ドライウェル内不凝縮ガスの格納、を行なうことにより、冷却材喪失事故の影響を緩和する特徴がある。ガス格納機能により、不凝縮ガスによる熱交換器の伝熱劣化が生じ無いため、本システムは、一体型炉における蒸気発生器二次側冷却系や格納容器静的冷却系のような熱交換器を使用する受動的冷却系との組み合わせ使用に適している。開発した概念の有用性はRELAP5/MOD3コードを用いて確認している。
伊藤 彰*; 中平 昌隆; 高橋 弘行*; 多田 栄介; 中島 義種*; 上野 修*
JAERI-Tech 99-026, 158 Pages, 1999/03
クライオスタットは真空容器と超伝導コイルを格納する円筒状容器であり、4Kという低温で運転される超伝導コイルの真空断熱を目的に、クライオスタット内部は圧力が10Paに維持される。また、クライオスタットは放射性物質の第2障壁を形成する。圧力抑制システムは炉内冷却水漏洩により、真空容器内部圧力が設計値0.5MPa以上となることを防止するためのシステムであり、真空容器及び生体遮蔽体の下方に設置される圧力抑制タンク並びに真空容器とタンク間を接続する放出配管からなる。今回、ITER用クライオスタット及び圧力抑制システムの構造設計並びに製作、現地組み立て手順及びスケジュールの検討を行い、詳細構造を明らかにしたので、これを報告する。
渡邊 和弘; 伊藤 孝雄*; 松岡 守
プラズマ・核融合学会誌, 69(10), p.1229 - 1241, 1993/10
200keV,3.5A出力のヘリウムビーム入射装置において、放電破壊によるイオン源の耐電圧低下を防ぎ安定にビームを得るためのサージ抑制の改良を行った。EMTP回路解析コードによるサージ解析とサージの測定により、大きな対地浮遊容量をもつ絶縁変圧器が主なサージの流出源であることを明らかにした。そして、サージ電流波高値を抑制するために、1mHのリアクトルを変圧器二次回路に挿入した。サージ測定により、目標通りサージ電流を1.5kAから、500Aに低減できたことを確認した。この改良により、放電破壊によるイオン源の耐圧低下はなくなり、定格出力のビーム(200keV,3.5A,0.1s)がくり返し安定に得られるようになった。このことにより、耐電圧低下を防ぐためには、放電破壊時のサージ電流を抑制することの方が、エネルギーへの抑制より、より効果的であることが明らかになった。
久木田 豊; 生田目 健; 竹下 功; 斯波 正誼
Nucl.Eng.Des., 102, p.225 - 228, 1987/00
被引用回数:5 パーセンタイル:50.7(Nuclear Science & Technology)冷却材喪失事故(LOCA)時にBWR MarkII格納容器内に発生する水力的動荷重に関して、大型装置による実験的研究を行った。広範な条件について実験を行い、この結果に基づいて、圧力抑制プール内での蒸気凝縮に起因する荷重の振幅が最大となる条件を同定した。荷重の振幅が最大となるのは、ベント管内の蒸気流速が30kg・m以下、プール温度が40C以下、蒸気中の空気重量割合が1パーセント以下の場合であり、このような条件は、中破断LOCAに際して発生する可能性が高い。
久木田 豊; 生田目 健
Nucl.Eng.Des., 85, p.141 - 150, 1985/00
被引用回数:6 パーセンタイル:64.59(Nuclear Science & Technology)BWRの冷却材喪失事故時においては、圧力抑制プール内での直接接触蒸気凝縮により、プール境界構造物に好ましくない動的圧力荷重が作用する。プール境界荷重の大きさは、多ベント管(約100本)の出口で発生する凝縮過程間の有限の非同期によって影響される。本論文では、BWR Mark II圧力抑制系中の7本の実寸ベント管を模擬した大型実験よりの実験データについて、プール境界荷重に及ぼす凝縮非同期の効果について調べる。時間及び周波数領域で実験データを解析することにより非同期効果を調べる。実験結果を実際のプラント形状へ外挿する試みが行われる。非同期の原因となるメカニズムについても議論される。
久木田 豊; 生田目 健; 斯波 正誼
Nucl.Eng.Des., 77, p.117 - 129, 1984/00
被引用回数:11 パーセンタイル:73.13(Nuclear Science & Technology)BWRの大口径LOCAの初期には、ドライウェル内の空気が圧力抑制プール内に急速に流入し、これに伴うプール水の流動の結果、ピールバウンダリ構造物およびプール内部構造物に種々の水力学的動荷重が加わる。本報では、原研で実施したBWR MarkII格納容器に関する実物大試験の結果に基づいて、原子炉安全評価に用いられる解析モデル(評価モデル)の妥当性を検討し、評価モデルがこれらの動荷重を過大に(保守的に)予測すること、またこれらの動荷重による格納容器内圧力上昇が、格納容器設計圧力を上まらないことを明らかにした。
峰原 英介; 大島 真澄; 稲村 卓*; 橋爪 郎*; 熊洞 宏樹*
Proc.Int.Symp.on Nuclear Spectroscopy and Nuclear Interactions, p.8 - 9, 1984/00
原研物理部ではタンデム加速器からの重イオンビームを用いた-コインシデンス実験の為にコンプトンサプレッションアレイを開発製作し、実験に使用し始めた。この装置は3組のNsI-Ge(HP)検出系から構成されている。ターゲットの周囲は直接NaIに入る線をおさえる為にヘビーメタルでシールドされている。使用したGe(HP)は十数%の検出効率で分解能はCo1.33MeV線で2~3keVFWHMのものであった。NaIは前面のコーナーが切り落とされた形状をしているが最外寸は160160250mmで、これに5インチのフォトマルチプライヤーが取り付けられている。本装置の性能はRi,Yb(NiNi)Mo(Cl,4np)Ce反応からの線測定によって十分に良好であることが確認された。
久木田 豊; 加藤 正美*; 守屋 公三明*; 黒木 道雄*; 生田目 健*; 斯波 正誼
JAERI-M 83-186, 171 Pages, 1983/10
本報告は、格納容器圧力抑制系信頼性実証試験において得られた試験結果のうち、昭和53~55年度に実施した水放出試験12ランにおける蒸気凝縮荷重の定量的評価を行ったものである。蒸気凝縮振動およびチャギング現象によってもたらされる圧力抑制プールバウンダリ荷重の大きさを、RMS値、パワスペクトル密度、応答スペクトルによって評価し、これらの量の上限値を与えるデータを選択することによって、実炉の荷重を保守的に評価するためのデータベースを作成した。また、熱水力条件と荷重の大きさとの関係、ならびにチャギングによる荷重に対するベント管相互の非同期の影響について調べた。
生田目 健*; 久木田 豊; 竹下 功
JAERI-M 83-185, 44 Pages, 1983/10
格納容器圧力抑制系信頼性実証試験を用いて行った試験のうちの7ランについて、一次系からの放出流量とベント管内の蒸気流速の評価を行った。本評価は、ブローダウン時の格納容器内熱水力挙動に支配的な影響をおよぼすこれらのパラメータの時間変化を評価することにより、試験データの解析に資することを目的としている。一次系放出流量の計算にはRELAP4/Mod5コードを用い、圧力容器内の圧力、ボイド率分布、混合水位などに関して計算結果が試験結果と一致するように、RELAP4の入力パラメータである流路損失係数、気泡速度・気泡分布係数、および放出ノズルにおける流出係数を調節した。ベント管内の蒸気流速は、一次系から流出した流体がドライウエル内で断熱かつ準定常な変化をすると仮定して計算した。
山本 信夫; 久木田 豊; 生田目 健
JAERI-M 83-101, 108 Pages, 1983/07
格納容器圧力抑制系信頼性実証試験では、装置固有のFSI(Fluid Structure Interaction)の影響を軽減することを目的として、昭和56年8月20日から11月25日にかけて格納容器のシェルおよびウェットウェル底面の強化工事を実施した。また、試験データの質、量の拡充をはかるため、試験開始以来、数次にわたりデータ計測系の増設や改造を実施した。本報告書は格納容器強化工事とデータ計測系の増設および改造の仕様と、主要な計測データの誤差についてまとめたものであり、試験データの解析、評価のための利用に供する。
生田目 健; 久木田 豊; 竹下 功; 霜田 善道*
Nucl.Eng.Des., 75, p.5 - 11, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)BWRにはLOCA時に1次系から格納容器に放出される蒸気を凝縮し格納容器の働く圧力荷重を低減するため圧力抑制型格納容器が採用されている。この格納容器は圧力抑制プール中に蒸気を導きここで凝縮し圧力上昇を抑制する。しかし蒸気凝縮時にプール中に圧力振動が発生し格納容器に新たな荷重を及ぼすことが判明し圧力振動の解明が格納容器の健全性評価上重要となった。さらにこのような圧力振動過程でこの圧力振動とプール構造部との連成振動の存在が試験の結果明らかになった。連成振動は本試験装置と実炉でその大きさが異なるためその解明が重要である。本文は連成振動を従来の数値解法に依らず解析的に解く方法を開発したのでその解法を示すと共に、この方法を大型装置の試験で得られたデータに適用し連成振動の大きさを評価した。試験データに含まれる連成振動成分がほとんどの周波数領域で10%以下であることを明らかにした。
久木田 豊; 生田目 健; 竹下 功; 斯波 正誼
Transactions of the American Nuclear Society, 41, p.695 - 696, 1982/00
原研における格納容器圧力制御系信頼性実証試験(Mark II格納容器を模擬した、実物大のベント管7本を有する装置による試験)で計測されたチャギングによる格納容器動荷重の大きさは、米国における1本ベント管による試験結果を大きく下回った。このような、ベント管本数の増加とともに荷重が減少する傾向は、ベント管のそれぞれから発生する圧力波相互の位相差(非同期)による効果として説明され、実炉の荷重予測上重要な意味を有する。本報では、原研試験結果に含まれる非同期の効果を解析し、動荷重の主要成分である低周波数成分についても非同期による荷重軽減効果が有意であることを明らかにした。
久木田 豊; 竹下 功; 生田目 健; 加藤 正美*; 守屋 公三明*; 斯波 正誼
JAERI-M 9665, 143 Pages, 1981/10
本報告は、現在原研において実施している格納容器圧力抑制系信頼性実証試験によって得られた試験結果のうち、最初の8ランの試験における蒸気凝縮時の圧力振動に関する試験結果について統計的解析、周波数解析を行ない、評価を加えたものである。チャギング、C/Oによる蒸気凝縮荷重について、多ベント系における圧力振動源の間に非同期が存在していること(多ベント効果)を明らかにした。また、ベント管内およびプール内での圧力振動の伝播特性、FSI効果、ベント管横向荷重についても検討を行い、蒸気凝縮による動荷重評価のための有益な知見を得た。さらに本解析を通して、今後の試験計画、解析において実施すべきことも明らかになった。
竹下 功; 久木田 豊; 山本 信夫; 生田目 健; 斯波 正誼
JAERI-M 9405, 121 Pages, 1981/03
本報告書は、昭和54年11月9日に実施したTEST1205のデータレポートである。本試験は、放出ノズル口径220mmの蒸気放出試験であり、プールスウェルを主要な試験対象としている。本試験ではバキュームブレーカを閉状態で固定し、その他の試験条件は同一破断口径による基本ケースであるTEST1203とほぼ同一に設定した。本試験におけるプールスウェル時のウェットウェル気相部最高圧力、ならびにダイアフラムフロア上向き差圧の値は、TEST1203の結果をやや上回り、プールスウェルに対するバキュームブレーカの効果が有意であることが示された。なお本レポートは、先にJAERI-memo 8875として刊行したものの公開版である。
久木田 豊; 竹下 功; 山本 信夫; 生田目 健; 斯波 正誼
JAERI-M 9404, 121 Pages, 1981/03
本試験は、昭和54年10月26日に実施したTEST1204のデータレポートである。本試験は、放出ノズル口径220mmの蒸気放出試験であり、プールスウェルを主要な試験対象としている。同一の破断口径による基本ケースであるTEST1203が圧力抑制プール初期温度約54Cの条件下で行なわれたのに対して、本試験では19Cとした。この結果、本試験におけるプールスウェル時の最高水位はTEST1203の場合より明らかに低く、TEST1203の試験条件が保守的であることが示された。なお、本レポートは、先に未公開資料としてまとめたJAERI-memo 8874の公開版である。
久木田 豊; 竹下 功; 山本 信夫; 生田目 健; 斯波 正誼
JAERI-M 9403, 122 Pages, 1981/03
本報告書は、昭和54年10月5日に実施したTEST1203のデータレポートである。本試験は、放出ノズル口径220mmの蒸気放出試験であり、プールスウェルを主要な試験対象としている。本試験における放出初期のドライウェル内圧力上昇率は約188kPa/sであり、実炉の想定条件に匹敵する値が得られた。なお、本レポートは、先に未公開memoとして刊行したJAERI-memo 8873の公開版である。
竹下 功; 山本 信夫; 久木田 豊; 生田目 健; 斯波 正誼
JAERI-M 8887, 132 Pages, 1980/06
本報告は、格納容器圧力抑制系信頼性実証試験装置によるTEST1201のデータ報告である。本試験は、破断口径200mmの大口径蒸気放出試験であり、プールスウェルを試験対象とする最初の蒸気放出試験であって、引き続いて実施されたTEST1202(240mm)、TEST1203(220mm)と共に、破断口径を変数とするパラメトリック試験を構成する。本試験は支障なく行なわれ、得られたドライウェル初期圧力上昇率は152KPa/sであった。